お客様の声

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※個人の感想です。

「補聴器体験記」 長野市 M.S様

    

いつものように植木に水をやる時刻となり、如雨露で水をやり出すと、ふと美しい虫の音にしばし佇んでしまいました。「あゝ虫の声だ」この暑いのにもうと、思いきや、その日は八月の七夕もすぎ立秋の日より三日ほどたった夕暮れのことでした。「あゝそうか、秋になったものネ」と一人つぶやきながら狭庭へ水をやりながら耳に手を当てていました。「あゝそうだ補聴器を入れていたんだっけ」と。それにしても自分で朝入れておきながら、虫の音色も、水撒く音も、竹の葉ずりの音も、小鳥のさえずる音も自然の音にきき取れ本当に嬉しくなって来ました。家の入り早速何ごとか起きたかのように姉に話しかける。「今水くれをしたら鈴虫がきれいな涼しい声で鳴いてとても良かったよ」「そうよかったネ、補聴器の具合はどうなの。」「それがあまりに普通に聞こえるので、補聴器を入れていることをすっかり忘れて、自分の耳が自然によくなって来たのかと一瞬錯覚をしてしまったの」「ほんとに、そんなによく聞こえて何の違和感もないのネ、よかったネ」センターの方々は懇切丁寧にご説明下さり、聴力に合った補聴器を試聴し、外に出て車の通る音、雨風の音、公園で遊ぶ鳩の飛び立つ音、などを聴かせて下さいました。数日たって私の補聴器が出来て、七月五日から使用いたしております。

 

こんなに性能の良い械会で、自分の耳の型をとって作っていただいたので、落ちる心配もなく安心し自分の新しい耳が出来たようで嬉しくなりました。今は家の中で読書をしても窓から入る風の音も、学校の子供達が遊ぶ声、放送の声、チャイムの音もすべて流れて耳に入り、なつかしいような気持が蘇り、これが本当の世の中の暮らしの音として、楽しくなりました。又俳句の会もスムーズにお仲間に解けこんで行けるようになり、一段と嬉しく次回が待ち遠しい限りでこざいます。私は若い頃から体が弱く幾つかの大病をし乗り越えて来ましただけに、自分をいましめながらこの素晴らしい補聴器に恵まれましたことに感謝申し上げ、センターの方々に数々の説明を頂いたことを守りつつ、これからの余生を楽しく送って行きたいことを祈念してやみません。ありがとうございました。

 

俳句のことを申しましたので、最近の作品ですが恥ずかしながら一筆添えさせていただきます。

山梔子の甘き香りの狭庭かな
壮麗の雲に祈りぬ原爆忌
槍穂高大夕焼に沈みけり
檜吹く風に和みし夏座敷
菩提寺の魚版の音も秋めきぬ

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