「補聴器と私」 長野市 S.M様
耳鳴りが十年ほど前からありました。最初はせみの鳴き声がしていましたが、最近では常時金属音がして、小さな音を耳にすることができなくなったように感じました。医師には高齢者のため仲良く付き合ってくださいとの診断になりました。
まず困ることは、妻との会話です。二・三回聞き返し、次第に大きな声で会話するようになり、大切な話も空返事をしているようになって、ひと悶着となるのです。家族とのコミュニケーションも自然に少なくなり、家族の中から取り残されることがありました。また、病院の受付では、若い女性の声が聞き取れなく、困ることが多くなってきました。
ある日家族四人で人形展を見てその帰りに私に無断で補聴器センターに連れて行かれました。突然のことで話だけでも聞いて帰る予定で、説明を受けました。試聴用の耳かけ補聴器を借用して、一時間ほど買い物をして、外の音を聞くことにしました。公園の小鳥の鳴き声がさわやかに聞こえたので驚きました。
装着者から聞いた話ですが、車の騒音、雑踏の騒音が気になる話を聞いて心配しましたが、実際に使用してみて苦にならず、ある程度慣れることが一番と思い、使用することに踏み切り、補聴器を申し込みました。
その他に自分の年齢も考えず、耳に取り付けたときの体裁に抵抗があり、また機械音のため、耳ざわりな音で疲れるのではないかと考えていました。それもクリアーできました。
約十日ほどで出来上がり、使用上の注意取扱いの説明を受け、日常の仕事で毎朝洗面しているのと同じ感覚でやればよいと思いました。
老人クラブの役員会、月例会に出席して話がわかり、カルチャーでの先生の言葉が聞き取れなかったが、今では楽しく講義を受けることができます。楽しさが増して今まではボーッと聞いていたのではないかと、皆様に迷惑をかけたと思っています。
家庭内での音で驚いたのは炊飯器の炊飯時の音、食事後の食器洗いの食器の重なり合う音、強い風の日に自転車に乗った時、風の音が強く感じ耳障りのため、長野補聴器センターへ相談して話を聞いて頂き、簡単に調節ができたので一安心、長く付き合えると思いました。
今では私の体の分身と思い、便利よく大切に使用しています。
耳は歯や目と同じく大切な基幹です。安価で誰でも使用できるようにして頂きたいと思っています。